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Revolutionary

「あ~~、マリネロで食べる釜飯美味しい~~」

「コン、あんま食い過ぎんなよ。船で吐かれたら困る」

​「わかってる~」

白髪の男・コンラートと琥珀色の髪の男・ヴィオットの2人はセクレト機関のエージェント。

現在、セクレト機関本部は損害が酷くてあらゆるエージェント達が復旧作業をしているが、

2人は上司であるヴォルフに休暇を言い渡されていた。

……というのも彼らも帰ってきてからほとんど働き詰めだったようで、

休暇を取る暇がなかったそうだ。

流石に休暇なしの連日勤務はコンプライアンス的にも違反しているので、

無理矢理ヴォルフが2人に長期休暇を与えてくれていた。

「ヴォルフさんに感謝せにゃアカンよねぇ……」

「叔父さん、ようわかったよな。俺とお前が長日連勤やったこと」

「誰かが言ったんかなぁって。エミさんとか、メルさんとか」

「あー、それやったらあり得るか。あの2人もだいぶ働き詰めらしいけど」

ほわほわと、コンラートとヴィオットの頭に浮かぶのは

同じ諜報機関オルドヌングに所属するエーミールメルヒオールの顔。

特に彼らは司令官エルドレットとの関わりが強く、

事あるごとに呼び出しを食らう印象が2人にはあった。

「あの2人にもちゃんとお土産買って帰らにゃあね~」

「せやなぁ。何がええかなぁ……」

​ヴィオットが市場を眺めていると、ふと視界に入った長身の男と目が合う。

肩にコートを掛けているその男はヴィオットに気づくと、足早に彼ら2人の前へとやってきた。

「よう、ヴィオットとコンラート」

「ゲラルトさんがおるって珍しいですね。どないしたんですか」

「もしかしてまたサボりちゃいます~?」

「んな訳あるか。ちょっとな」

男の名前はゲラルト・フィリップ・フュッテラー

諜報機関オルドヌングの副リーダー的な扱いを受けている男であり、

度々姿をくらましては「任務だ」と言って帰ってこない男。

今日はマリネロで用事があったそうだが、その用事というのがとても面倒で

ぶっちゃけ投げ出して帰ってやろうかと悩んだほどだそうだ。

そんな折にヴィオットとコンラートに出会ったと。

「へー、ヴォルフさんからの命令?」

「ん……それは秘密だ。ただし、革命的なことであることに変わりはない」

「ほーん。叔父さんからじゃないけど、革命的。ゲラルトさんらしいけど……」

「まあ、色々とあるからな、俺には」

ふう、とため息を付いたゲラルト。彼には相当の疲れが溜まっているようだ。

しかし彼が止まれば面倒事が増えるそうで、休暇さえない状態だという。

そんな彼らが出会ったことにどんな意味があるのか。

​――それはまだ、ここでは明かされない。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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