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Suspect

「お前らがやったんじゃねェだろうなァ?」

「やってないやってない!!」

「僕らじゃないよー!!」

「本当かねぇ……」

セクレト機関のミーティングルーム。

旅行者としてエルグランデにやってきたレティシエルアマベル

それの真偽を確かめるエルドレットヴォルフ

この4人がわちゃわちゃと会話を繰り広げていた。

エルグランデの空を見下ろすように開いた大穴。

まるでゲートのようでそうじゃないそれが生まれた原因がわかっていない。

研究者や調査人は誰もが「レティシエルとアマベルが犯人だ」と言っているが、

先程からレティシエルもアマベルも否定を繰り返している。

それどころか、自分達はベルトアに言われて空を見ただけだ、とも。

「あっ! ベルトアに連絡しなきゃ!」

「おじさん、通信魔石ある!?」

「お、おじさ……」

おじさん呼ばわりされてちょっぴりショックを受けたヴォルフ。

ほぼ同年代の男達に言われると、こうも心に来るのかと嘆いている。

「ベルトアに連絡、ね。それは俺がやっておくよ」

「ホント!? やったあ!」

「じゃあ気兼ねなく、僕らは旅行出来るね~」

「……いや。そういう訳にはいかないかな」

「「えっ」」

エルドレットは2人の旅行を止めた。

大穴が開いた原因が分からず、容疑者として成り立っている彼らを自由にするわけにはいかないからだ。

 

かと言って、閉じ込めて彼らに大暴れされても困る。

彼らは箱庭世界では神とも称される者達。どんな力で反抗されるかさえわからない。

特に箱庭世界で得た力等を使われては如何にエルグランデの最高組織といえど対処は利かないだろう。

「ってことで、これから調査の手伝いをしてもらう。旅行はそれからだ」

「「えーー!!」」

猟兵達と共に、異常事態の対処と周辺調査を行う。

​それで彼らの旅行にしよう、とエルドレットは告げた。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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