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strange situation
「……ドレット。お前の言う通りかもしれねェぞ」
大きくため息を付いたヴォルフ。
エルドレットから調べ物を頼まれていた彼は、背もたれに身体を預けて天を仰ぐ。
32年前からソール物質が低減しているフェルゼン。
彼は本来ならばありえざる状態となっている。
一時的な大減少が起こったとしても、ソール物質はきちんと体内に蓄積されるからだ。
「けど、コレってつまり今もコントラ・ソールを使い続けてるってことだよな?」
こんな状態になるまでソール物質がないということは、永続していなければない。
ヴォルフはそれをエルドレットに問いかけたが……彼の答えは『多分』だった。
「は、え??」
「だってわかんねーんだもん、そんなコントラ・ソール」
「な、な、な……」
「データベース探っても全然見つかんなくて。なー、ナターシャ」
『なー、エル』
司令官システムの1人、ナターシャ・アイゼンローゼも答えてくれた。
彼もまたデータベースの海に潜って探ってくれたが、該当するコントラ・ソールは見当たらず。
エルドレットに倣うよう、お手上げの顔文字を見せていた。
「でもまあ、スヴェンを通じて猟兵さん達には伝えなきゃね」
『この情報が何かの取っ掛かりになってくれるといいんだが……』
そう言ってナターシャはスヴェンを通じ、猟兵達に向けて新たな情報を発信する。
フェルゼン・ガグ・ヴェレット。
彼は今もなお、コントラ・ソールを使い続けているかもしれないと。
これは、猟兵達の秘密の物語。
記録と記憶に残るだけの、小さな物語。
シークレット・テイル
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