top of page
looking for
「……ふーむ……」
燦斗は考える。
父親であるエルドレットが珍しくも息子である自分を頼らないことに
少々違和感を抱いていた。
いずれかにこっそりと通信を繋げて指令を渡してくるのに、
今回に限ってはそれが一切なかった。
猟兵となって介入が難しかったというのならば、それは間違いないのだろう。
だが戻ることが出来なかったはずの燦斗達が戻ってきているのは
間違いなくエルドレットの《世界介入》のコントラ・ソールによるものだと断定出来ている。
「何を考えているんだ、父上は……」
これまでに何度も何度も、父の考えには振り回されてきた。
無理無茶無謀な考えも、破綻しているように見える考えも、難題な考えも。
それでも彼の考えは、最後には必ず正しいと答えを出してくる。
だから今回の件も、正しい道へと導かれるのだろう。
そう結論づけるしか無かった。
「…………」
猟兵達へ任務を与えるため、燦斗は書類を整える。
そこに記されているのは、
『ジャックの探し物について』と『エルドレットの目的について』――。
これは、猟兵達の秘密の物語。
記録と記憶に残るだけの、小さな物語。
シークレット・テイル
bottom of page