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killing time

「はー、暇やわ。コンもおらんし」

​のんびりと、ヴィオット・シュトルツァーがマリネロの平原にある岩の上で休んでいた。

共に行動していたコンラート・ベトリューガーの姿が見当たらず、

どこかで迷子になっているのかと探し出していたのだが……これが一向に見つからない。

なので、もう面倒になって休んでいたというのが彼である。

そんな折にバルタン・ノーヴェが放ったミニ・バルタン達がヴィオットを見つけた。

彼女は猟兵活動中だったヴィオットと懇意にしていたのもあり、ヴィオットはその顔は忘れていない。

ミニ・バルタン達も、その顔にしっかりと覚えがあったのだろう。

両手を上げて、なにやらおねだりする様子が伺えた。

「あれ? アンタら、バルタンさんとこの……や、俺にねだられてもなあ」

ぽりぽりと頭をかいて、ヴィオットは口ごもる。

ミニ・バルタン達の習性を知っている彼はポケットの中にあった財布の中を覗き……首を横に振る。

ミニ・バルタン達はお駄賃が欲しいだけなのだが、薄給な彼にはどうすることも出来ず。

「おや、ヴィオット殿!」

「んお、バルタンさん。やっぱおったんかぁ」

ここでバルタンとジャックと出会ったヴィオット。

のんびりしていたところだったので、少しだけ起き上がって彼らから話を聞いた。

と言っても、ヴィオットはこの平原に来てからはのんびりしていたぐらい。

与えられる情報と言ったら、自分が運び屋をしたことぐらいだ。

「何を運んでたんだよ」

「それは……守秘義務があるんで秘密っすね。中身とかも言えないんで」

「ふーむ、それなら仕方ありマセンネ。追求はやめておきマショウ」

「だなぁ……」

ヴィオットと出会うより先に見つけていた情報……エルドレットの噂の出どころもわからないまま、時間が過ぎる。

『教授』と呼ばれる人物・ルナールがその話を聞くと不機嫌になるらしいが、

何故彼がそういった態度をとるのかまではわかっていない。

「……本格的に、教授ってのと対話する必要があるか?」

ジャックは思案する。

猟兵達が手に入れた情報を元に、ルナールに会ってみるかどうかを……。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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