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The wisdom is here

「探しもの、いっぱい。探して、クロ!」

ユーベルコードを使い、カラクリ人形のクロと共にスヴェンの部屋を探る唯嗣・たから

彼女の呼び出したカラクリ人形達はあちらこちらに走り、情報を集める。

フェルゼンが残していた日記は44年前。

それなら、スヴェンも同じように日記を残している可能性があるのではないかと。

部屋の主であるスヴェン本人には、44年前の記憶は無い。

故に日記などの手がかりがあれば、その記憶を埋めることが出来るからと。

「……そういえば、男の子のお宝、ベッドの下、あるって……」

ふとたからが気になったのは、スヴェンの部屋のベッド下。

スヴェンは男性。つまり、ベッドの下には何か隠されているかもしれない。

そんな期待を乗せて、クロ達がごそごそとベッド下を探る。

そうして数秒後にクロ達と共にぬるりと現れたのは、ピンクの表紙の本。

わ"ぁ"ーーーーー!!!???

素早くスヴェンは本を取り上げ、たからの目に写り込まないように黒のゴミ袋に包む。

念入りに、そう念入りに、これでもかと言うほどのテープで巻いて。

絶対に開けることが出来ないようきっちりと封をして。

たからの目につかないように、ゴミ箱へと捨てる。

こんなイケナイものは見てはならないというように。

「むぅ。お宝、見つけたのに」

「アレは調査には必要ない。特にあなたには刺激が強いのでな」

「むぅ」

納得がいかないぜスヴェンさん。

​……なんて言葉は飲み込んで、調査の続きを行っていった。

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Here's the truth

​しばらくして。

​フェルゼンがミメーシスに身体を奪われる原因を作ったのは、スヴェンと判明。

 

若かりし頃、スヴェンは異種族との交信を続けていた。

その結果『ミテラ・ミメーシス』と呼ばれる存在と繋がりを持つことになる。

いろいろと交信を続け、ミメーシスの使徒が降りてくることを知り。

『座標』と『青髪の男』のことだけを伝えた。

……その結果。

座標にいたフェルゼンが肉体を奪われる事となった。

それが真実だと、彼の日記には記されていた。

「でも、終わったこと、だから」

そう呟いたたからは、スヴェンの手を取って。

前へ進もうと、彼の部屋の本棚を調べる。

終わってしまったことに目を向けても意味はなく。

これから行わなければならないことに目を向けていこうと。

​「……ありがとう、たから殿」

小さな感謝とともに、彼は前へ進む。

その結果スヴェンの部屋の後ろに隠れていた隠し部屋の扉を開き、地下への道を見つける。

 

地下は暗く、石の壁と石の床が広がる。

いくつか鉱石が並んだ棚がずらりと並ぶだけで、それ以外は見当たらない。

なんだ、それだけかぁ。なんて思っていたら、唐突に鉱石から声をかけられた。

『やあ、この声は届いているかな。同志諸君』

「……ゲラルト殿?」

『お、聞こえてるのか。スヴェンおじさん、俺もいるよ』

「ベルトアくんまで……?」

​​鉱石から聞こえてきたのは、今現在は自由になった人物ゲラルト・フィリップ・フュッテラーと。

このエルグランデにはいない人物、ベルトア・ウル・アビスリンク

​双方、どちらも同じ場所から声を届けているようだ。

彼らいわく、今こうして通信を繋いでいる石こそがフェルゼンの残した策。

箱庭世界に繋がるゲートを開くための鍵。

――ミメーシスの『母』たる存在を封じるための、鍵の1つだと。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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