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The Birth of Power

ヴェレット邸はめちゃくちゃ広い。

調べる時にはそれぞれ個別に調べる必要があるが、それをしていては時間がかかる。

ということで、広く浅く調べることにした瞳ヶ丘・だたら

未だ調べられていないリビングや浴室などを調べていく。

「この機械は……?」

「ああ、それは『ご飯つくれーる君』だな。オレの命を……守ってくれた……」

「……深くは聞かないでおこうか」

キッチンにおいてある『ご飯つくれーる君』。

その存在は、ヴェレット家を支える縁の下の力持ち。

料理の出来ないザビーネ、フェルゼンマリアネラの代わりに料理を作り、

スヴェンキーゼルの命を守ってくれていた。

この家ではどうやら、機械に任せた家事が多かったようだ。

とまあ、そんな小さなことを調べてしばらくして。

ジャックから借りた『ゲート構築と呪術について』の本を使うことにしただたら。

隣の家のアビスリンク邸へと向かい、ベルトアの研究室へと向かう。

円状に切り抜かれたような、床の色。

そこに立って書籍を開いてみれば、じわじわと浮かび上がった研究内容。

コントラ・ソールの力を研究していたベルトアは、様々な力の内容をメモしていた。

更にベルトアは100年以上前の人々がコントラ・ソールを『呪術』と称していることも記載していた。

人々の身体、植物の細胞、鉱石の組織。

それらに世界の欠片が埋まることで、コントラ・ソールは生まれている。

そしてソール物質と呼ばれる物質を使い、術を使用している。

その仕組みが解明されたのは、まだベルトアがエルグランデにいた時なのだ。

「なるほど。仕組みを理解できなかった故の『呪い』か」

単純明快、しかし仕組みが理解できなければ『呪いの術』。

コントラ・ソールの仕組みを紐解けば、また新たな謎が誕生してしまう。

ゲートの大きさによってコントラ・ソールの強さが決まるのならば。

《無尽蔵の生命《アンフィニ》》が誕生したときの大きさは、どのぐらいだったのだろうか……。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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