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Only a few left

「まずいな。オレとあなた以外の人間は全員動きが止まったぞ」

「いや、コピーチルドレン達はまだ動いてるな。あとはアルムやジャックも」

 機械の身体を持つエルドレットスヴェン

《無尽蔵の生命《アンフィニ》》を持つ燦斗

《無尽蔵の生命《アンフィニ》》の研究を受けた者達。

異世界からやってきた者達。

それ以外のエルグランデの人間は、全員ソール物質の低減により行動不能へ陥った。

力を使うためのエネルギーと密接な関係にあるからこその弱点とも言える。

「死に至る、とはゼルやアドの研究にもあったが……実際本当に死んでるのか?」

「現状、完全な死を目撃はしていない。が、かなり危機的な状況に陥ってる人間はちらほらと」

「やべー。もうちょいでミメーシス来るってのに……」

 

世界全体が機能停止しているというのに、侵略者が来る。

侵略者側からすれば好機。世界側からすれば危機。

まるで天秤が傾くように、流れが揺らいでいる。

​このままでは世界を守る事もできず、エルグランデという世界は破滅を迎えるだろう。

だが、そのためにエルドレットは策を講じておいた。

《世界介入《ヴェルトインヴァージョン》》を使い、本来戻ることの出来ない自身の子らを呼び戻した。

そのおかげで異世界との繋がりを新たに作り、猟兵という存在を呼び出すことが出来た。

 

ソール物質の影響を受けず、侵略者《インベーダー》と戦える者達。

コントラ・ソールではない別の力を持って、このエルグランデに立つ者たち。

今この状況においては、まさに救世主といったところだろう。

「エルドレット、ちょうど救助隊も来てくれたようだ」

「お、助かる~。俺とスーとリヒ達だけじゃどうしても人数足りねえもんなー」

情報を聞きつけ、手伝いにやってきた猟兵達もいてくれる

少なくともセクレト機関内にいる調査人達の安全は確保されるだろう。

「だが、機関の外にいる人々をどうするか……だな」

スヴェンの言葉に、エルドレットは考え込む。

調査人達が無事であっても、それ以外の人々の安全が守られたわけではない。

かと言って、それを処置するための人手が足りていない。

どうするべきか。どう動くべきか。ここは判断が迫られる。

そんな時、声が聞こえてきた。

止まっているはずの通信が、開いたのだ。

『エルドレット、待たせたな』

「ナタ? 司令官システムは止まったはずじゃ……」

『ちょいと、準備に手間取ってたんだよ。出せる人数を絞ってた』

「出せる人数だと? ナターシャ、何を言って」

​ふと、視線を感じ取ったスヴェンが振り返ってみれば……

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I managed to do it.

振り向いたところにいたのは、ナターシャ

そしてアレンハインツアードラーエスクロマリアネラの5人。

どうやら彼らはエルドレットとスヴェンの持つ機械の身体を

自分達でも使えるようにとせっせと組んでいたようだ。

とはいえ、突貫で作ったものなので機能操作性は2人には及ばない。

コントラ・ソールの使用も、ほとんど不可能だ。

​だけど、今。猟兵達と共に人々を救出するぐらいならば出来る。

 

この世界を守るため、脳を捧げた者として。

人々を守るための力を捧げた者として。

猟兵達を導くものとして。

彼らは大きな無理をして、大地に立っていた。

「あたし、ヴィル・アルミュール方面行きます! アレン君は?」

​「僕は……うん、ヴィル・キャスク方面へ。アードラーさんはどうします?」

「私はヴィル・バル方面へ向かおう。エスクロ、キミはどうする?」

「俺は細々したところを一気に回る。ナターシャ、お前さんはどうする?」

​「俺は通信網の復旧。猟兵の力も借りれば一気に回復できそうだ」

それぞれの管轄を、それぞれの手で復旧させる。

​だけど、そのためには猟兵の力を借りる必要がある。

一度死んでしまった者達が再び動くためには、大きな力が必要なのだ。

「頼む。力を貸してくれないか、猟兵達」

「この世界を守るために、少しでも良いからさ」

司令官システムの代表達は【あなた】に向けて声を掛ける。

どうか、この世界を救うために。

​今一度、力を貸してほしいのだと。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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