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エミーリア

Identifying the problem

「さーて、また新年新たにって感じで」

「問題点の抽出からですねぇ……」

司令官室で揃ってメモと調査報告書を眺めるエルドレット燦斗

​近くでエミーリアも情報をまとめてくれていた。

前回はヴェレット邸に向かう者エーミールとの戦いに出向いた者で別れた。

その時に手に入った情報はそれぞれで違うため、まずはその点を洗い出す。

「スーの家で見つかったもの、だが……」​

​「……まさかスヴェンさんがねぇ……」

ヴェレット邸で見つかったもの、といえば。

フェルゼンが幼い頃に書いた日記とスヴェンの残した日記。

手紙と、箱庭世界へ繋がるための鍵。

そしてルナールが残していた《無尽蔵の生命《アンフィニ》》の研究記録。

アビスリンク邸では『ゲート構築と呪術について』が使用され、中を見ることが出来た。

スヴェンによって侵略者《インベーダー》・ミメーシスがエルグランデに呼ばれ。

その配下となる存在が幼いフェルゼンの右目に入り込んだ。

長らくシステムの目を掻い潜り彼の中に潜み続けたミメーシスは

彼が十分に成長したため、今になって動き始めたのだろう。

それを引き起こしたのは、紛れもなくスヴェン自身。

たとえ記憶が失われていたとしても、その事実は揺らがない。

「スヴェンさんは今何を?」

「いつも通り、変わらずに作業中だ。……ありゃ相当参ってると思うぞ」

「ですのー。いつもの高速詠唱が出てこないですの~」

「あ~~~それは天変地異の前触れ~~~」

司令官システムとして動き続けるスヴェンは、今も変わらずに働いている。

けれどそれは、司令官システムという立場だからではない。

息子を危険に晒した事実。己が世界を危機に晒している事実。

その2つがある限り、止まることは許されないと考えているからだ。

「……あんまり思い詰めないようにさせねぇとなぁ……」

司令官システムの長であるエルドレットはどうにかスヴェンに立ち直ってもらう方法を考えて。

再び情報確認を行う作業へと戻っていく……。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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