top of page
宇宙船の内部
立ち絵2.png
立ち絵2.png

I hate that

「あれ、父はどこへ?」

​

セクレト機関の司令官室にて、燦斗が首を傾げる。

普段は司令官室にいるエルドレットがいないからか、違和感が大きかったようだ。

​

「マリネロの街だよ。嬢ちゃんの通ったゲートを調べるっつってた」

​

エルドレットの代わりに司令官システムと協力して情報精査中のヴォルフ。

あっけらかんと、エルドレットの居場所をバラす。

アルムが通ったゲートについて調べるため、権限が高い彼が出向いたそうだ。

​

とはいえまだ十分な情報がなく、精査できる情報は少ない。

もう少し集まらないとヴォルフの方でも整理が難しいという。

​

「今は白い花の花弁がゲートから落ちてきてるってよ」

「白い花、ですか……大丈夫かな」

「ドレットの心配? 珍しいな、お前が心配なんて」

「ええ、まあ。白い花にはトラウマを抱えてますからね、父は」

​

サラッと大事なことを告げた燦斗。

父であるエルドレットはある事例を境に白い花が苦手になっている。

今、マリネロの街に降り注ぐ白い花の花弁を見るだけでも、精神的に良くないだろうと。

​

燦斗の言葉を聞いて、ヴォルフは慌ててエルドレットの精神状態を確認する。

確かにあまり良い状態とは言えず、逆に脳波の乱れが確認されていた。

これは流石に止めるか? と燦斗に聞いたが、彼は首を横に振る。

​

「父はわかっていると思うんです。向き合わないといけないって」

「……昔言ってた『アレ』にか?」

「ええ。エーミールのためにも、私のためにもね」

「…………」

​

そこから先、ヴォルフが何か口にすることはなかった。

ただ、それでも彼はエルドレットの様子は逐一確認しておく。

エルドレットは司令官システムの頂点。

簡単に亡くしてはならない人物なのだから。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

Copyright(C) 2022 - 2026 シークレット・テイル 

​イラスト / 御影イズミ

提供 トミーウォーカー 第六猟兵

​サイト内の文章・イラストはいかなる場合においても使用を禁止します。

bottom of page