Disappeared child
港町・マリネロにて。
ヴィオット・シュトルツァーとコンラート・ベトリューガーの2人は
ある事象を調べるためにかけつけた猟兵バルタン・ノーヴェと共に
聞き込み調査を行っていた。
コンラートが気づいたマリネロの街の異変。
それは「子供達の数が少なくなっている」という小さいけれど大きな事件。
既にセクレト機関への通達は行われているが、謎が多く、事件解決に至っていないのが現状だ。
子供達が何処へ行ったのか。
子供達がいなくなる前は何をしていたのか。
いなくなる以前に気になることはなかったか。
それらを全て、余すことなく調査していく。
「うーむ、いなくなっている人数が不思議デスナ?」
「せやね。なんで2人以上なんやろ……」
「1人のほうが事件の発生が気づかれないのにね~?」
集めた情報の中でも最も不自然なのが『2人以上で行方不明になる』部分。
攫うのならば1人を攫った方が、事件判明までに時間をかけられるというのにだ。
こうしなければならない理由を3人で考えてみるが、答えには至らず。
『バルルー!』
『ふぐるにょわー!』
「いたたたっ!! 痛い痛い!」
考え込む3人のもとへやってきたのはエレティック・リュゼ・ルナール。
こいつ怪しい! とミニ・バルタンとヴィオットの精霊猫に引きずられていた。
だが彼は少し前にエルドレットに向けて手紙を送り、ジャックを正式な協力者にしてくれた。
そのため彼がこの事件を引き起こしたとは考えにくい。
それどころか彼は逆の動きをしていたと反論していた。
「では、場所など教えていただけマスカ?」
「場所か。現在まで3箇所、8つほど閉じた。それ以外は見つけられていない」
郊外の平原、船着き場、海岸にそれぞれ見つかったゲート。
それらは全てルナールの手によって閉じられたが……まだ、事件は終わっていないそうだ。
「なので……私を捕まえるということは、事件が悪化するという理由になるぞ」
そんな事を告げて、ルナールは簀巻きから開放されたそうな。
これは、猟兵達の秘密の物語。
記録と記憶に残るだけの、小さな物語。
シークレット・テイル