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Beyond Oblivion

​「花びら、ねえ……」

マリネロの街、そばにある海岸にて。

上空に開いたゲートから降り注ぐ、白い花弁がエルドレットルナールを包む。

繋がった先の世界から落ちてくるものだとわかっていても、なかなか不思議な光景だ。

エルグランデの世界には存在しない花。

その名はジャック・アルファード曰く『呪いの花』。

世界を脅かす闇の種族達にとっては呪いのようなものだからと名付けられた。

彼がこの名称しか知らないのは、その呪いを受け取る側だからだろう。

「海を包む白い花というのも、悪くないとは思いますけどね」

「そうかね。俺はちょっと、怖い」

「先生がそのような感想を述べるのは珍しいですね」

「うん、まあ……ちょっとな」

歯切れの悪いコメント。

白い花には、いい思い出がない。

そう言いたそうな表情をエルドレットは浮かべていた。

しかし、これからゲートの調査を行うとなればそうも言ってられない。

誰がゲートに《忘却《オルビド》》を仕掛けたか。

何故アルムがゲートを通り抜けたか。

このゲートは誰が用意したものか。

​それらを探る必要があるからだ。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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