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Battle End

「あの2人をなんとかすればいいんだな?」

エーミールメルヒオールを前に、アス・ブリューゲルトは呟く。

エルドレットに任務を受け取った彼は、左手に剣を、右手に銃をもって駆け回る。

どんなときでも彼らを逃さないように、姿を隠しながら、2人に気づかれないように。

​腕を、足を、しっかりと狙って捕縛の体勢を作り上げた。

「さて、と……」

戦いが終わり、エーミールとメルヒオールを縛って動けなくしたエルドレット。

抵抗する様子を見せない2人の前にストロー付きのカフェオレを差し出し、話をする体制を整える。

「……何のつもりですか」

「何って、親子水入らずの語らい」

「バカなんですか??」

「バカってなんだよー。真剣だぞ、俺はー」

ぐいぐいとカフェオレをエーミールのほっぺに押し込んで、エルドレットは無害だと見せる。

もう、これ以上戦う理由は彼にはない。

もしこれ以上の戦いを望むというのなら、それはエーミールが戦おうとしたときだけだ。

だが、エーミールはどうだろう。

先程まで見せていた怒りが、何一つなくなっていた。

あんなにもエルドレットに対する怒りを皆に見せていたというのに。

あんなにも殺してやると叫んでいたというのに。

捕まった今となっては、その怒りは何処にもないのだと。

「なんで……なんで私は……」

「……その辺の事情などもきちんと探る必要がある、か……」

「エミさんはらへった~」

「はいはい、メルはあとで懲罰房についたらご飯出しとくからな」

ともかく、一旦2人は懲罰房に送られることとなった。

最高司令官に対して攻撃を行った。これは重大な違反となるのだから仕方がない。

とは言えエルドレットの子でもあるということから、そこまで重い罪にはならないそうだ。

「……とは言え、もうちょい色々調べてからになりそうかな。2人が外に出るのは」

​そんなことを呟いて、エルドレットはエーミールにカフェオレを飲ませてあげた。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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