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I noticed it

『……あの子は、■■■■は気づいてしまったみたいだな』​

「みたいだなあ……俺も今、ようやく全部繋がった」

司令官システムの脳内会議にて。

エルドレットと会話する男――スヴェン・ロウ・ヴェレットはため息のような声を出す。

まさか、こうなるまで何も気づけなかったとは、と。

2人には今、マリネロの街に放たれたクラーケンを対処するルナールの様子が見える。

街の監視を担当しているエスクロ曰く、あまり芳しくないようだ。

猟兵達が駆けつけるまではなんとか持ちこたえられるレベルだが……。

それよりも、エルドレットは頭を抱えていた。

今回の全ての事件の容疑者が誰なのか、『裏切り者』が誰なのか。

​全て、情報が繋がってしまったのだから。

『どうする? あの子に通達することも可能だが』

「いや、動き出すのを待つ。今は眠っているようだしな」

『……そうか。あなたがそう言うのなら、従おう』

「悪いね」

小さく笑ったエルドレット。少し小難しそうな顔をするスヴェン。

『裏切り者』を知ってしまった今、どう動くかはエルドレットに任せる方が良いと踏んだようだ。

それでも、その『裏切り者』について知っているスヴェンは自分もどうにかしたいと考えているようで。

「って言ってもなあ。お前、あの子らには内緒にしてるんだろ? ココにいること」

『内緒というか、言い出す機会がなかったと言うか……』

「まあ、お前さんのことは裏で処理したって言っちゃったしなぁ」

『幼子だったあの子達にはそう言うしかなかっただろうな。仕方ない』

そう笑って返してくれたスヴェン。

もし、今の彼に表情というものが備わっているのなら。

きっと、今は『悲しい』という表情をしていることだろう。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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