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family interactions

セクレト機関のトレーニングルームにて。

真夜中だと言うのに、1人の男がサンドバッグに向けて蹴りを放つ。

何度も、何度も、何度も、何度も。

足腰の訓練のために、力いっぱい蹴って。

そんな彼に向けて、1つのウィンドウが開いて警告を促す。

と言っても、警告音を鳴らすようなものではない。

親が息子に伝えるように言うだけだ。

――そんなにやってたら、足悪くなるぞー?

――お前が倒れたらクレーエちゃんもやべーんだからな?

Escroc Chercheur.

警告した主はエスクロ・シェルシェール

司令官システムに存在する1人であり……。

サンドバッグを蹴る男、ライアー・シェルシェールの父親。

研究者でもあり、戦闘員でもあり。

死刑囚でもある男の父親だ。

「なんだよ、今更。もう3時間ぐらいやってんだぞ」

――やり過ぎはダメだって毎回言ってるでしょ。

――ただでさえ、お前は死刑囚に認定されているんだから。

――というかよく許可が出たな?

Escroc Chercheur.

「エーリッヒ……さんに言ったら、許可出してもらえた」

「こないだの襲撃で、クレーエが怪我したから」

​蹴りを止め、スポーツドリンクを飲んで汗を拭っていくライアー。

その表情は焦りと怒りと、色々な感情がまぜこぜになっている。

そんな折にトレーニングルームに一つの影。

少し小さな女性が顔をひょっこりとのぞかせた。

「あ、やっぱりここにいたんですね、ライアーさん」

「クレーエ」

彼を迎えに来たのは、クレーエ・サージュ

ライアーと共にセクレト機関に所属している研究員であり……。

コントラ・ソールを持たない、エルグランデ唯一の人間。

誰もがコントラ・ソールを持つ世界でありながら。

たった1人だけ、コントラ・ソールを持っていないという異質な存在。

​そんな彼女を巡って、今回の話は進んでいく。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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