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cats are cute
『エミーリアさーん』
「はにゃ~~」
『……どうしたの?』
セクレト機関、司令官室のコンピュータ前でデレデレになっているエミーリア。
ウィンドウを介してマリアネラが話しかけに来たが、その様子にクエスチョンを浮かべていた。
デレデレになった理由はエルドレットの視界カメラを通して映った猫の姿。
どうやら現在、セクレト機関には猫が迷い込んだようだ。
『めっずらしいねえ。ヴォルフさんとヴィオット君の子以外の猫って』
「はにゃ~~~」
『《精霊猫《ガイストカッツェ》》は発揮してないから、あれは普通の猫かなぁ』
「はにゃ~~にゃ~~~」
画面越しにでもわかる猫の可愛さにすっかり骨抜きになったエミーリア。
そんな彼女に対し、マリアネラは提案を上げる。
『……撫でに行ったらどう?』
司令官室は基本的に誰もいなくても、システムによって動くので問題はない。
だが、エミーリアは自身が司令官補佐であり、守衛の立場であることからピタッと止まった。
「はぅ……リアがここからいなくなるのは駄目ですの……」
『そっかぁ。じゃあ諦めてもらうしかないかなぁ』
「うぅ~~~、ねこちゃん…………」
『あとで先生に連れてきてもらったらいいんじゃない?』
「そうするですの~~~!!!」
半ばヤケクソにキーボードを叩き、仕事を進めるエミーリア。
かわいい猫への愛情は彼女の仕事速度を上げるバフとなったようだ。

これは、猟兵達の秘密の物語。
記録と記憶に残るだけの、小さな物語。
シークレット・テイル
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