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Valentine's Day

「もーうそんな時期だったかぁ」

「ちょこたべたいですの」

「はいはい、あとでメルからもらってきなさい」

「ちょこたべたいですのー」

様々な事象が起きる中、燦斗エミーリアは燦斗の自室にて作業をしていた。

諸々の事件が起こる中、司令官補佐としての作業を。

調査人達の配備や戦闘員の調整。

調査報告にて判明した事例の数々。

あとついでに、レティシエルによって蔓延した「ばれんたいん」なるイベントの処理を。

「ここの組織、バレンタインとは無縁ですからねぇ」

「ちょこたべたいですの」

「まあ女性との縁作りはだいたい司令官システムがなんとかしてくれますしねぇ」

「ちょこたべたいですのー」

「……エミーリア、お腹空いてます?」

「ちょこー」

さっきから、エミーリアが「チョコ食べたい」しか言わないことに気づいた燦斗。

作業終わったら買ってやるか、なんて考えたのだが、自分の金は出したくないなと考える。

そこで燦斗は1つ、閃いたことを口にした。

「メルなら《創造主《クリエイター》》でチョコ沢山作れますよねぇ」

その一言を聞いた途端、エミーリアの目が輝いて。

それもそうだ! という顔のままに立ち上がって、部屋の外へと出ていった。

 

コントラ・ソール《創造主《クリエイター》》。

それは『自分が知っている・見たことがある物品なら何でも作り出す』力。

当然メルヒオールがチョコレートを知っていれば、簡単に作ってもらえるのだ。

「めるめるちょこー!」

そんな鳴き声を上げながら、エミーリアは機関本部内を走り回る。

バレンタインなのだから、チョコぐらい作ってもらってもいいだろう! と……。

​ちなみにあまりの勢いに怖くなって、メルヒオールはしばらく逃げ惑った。

​バレンタインというイベントを知っていても、怖いもんは怖いのだ。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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