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Questions

「さて、スー。課題はいくつでもあるぞ」

「急に出てくるなよ兄貴。寝ていたはずだろう」

「お前が面白い情報を見つけたからついつい起きてしまったよ」

「はぁ……」

司令官システムの奥底。

意識と意識が交わり、情報交換が行われる場。

先程まで外に出ていたスヴェンは目の前にいる人物を見て、ため息を吐いた。

アステリ・ラス・ヴェレット

スヴェンの実の兄にして《解答者《アンサー》》の最初の所持者。

本来であれば表に出てくることはないのだが、彼曰く『面白い情報』があったから出てきたという。

彼の言う『面白い情報』はさほど難しいものではない。

コントラ・ソールが芽生える条件を司令官システム以外の者が見つけた、ということだ。

それも、自分の甥っ子が見つけたのだから余計に目が行ったと。

「オレの子だぞ。出来ないはずがない」

「おおう、清々しいまでの親バカだな。親父殿とお袋殿に聞かせてやりたいぐらいだ」

「アレらの話はやめろ。怒りが込み上げてくる」

「はいはい。で、キーゼルの研究ノートについてなんだが」

スヴェンの親バカ発言を簡単に払い除けつつ、アステリは続ける。

キーゼルの研究ノート――『《無尽蔵の生命《アンフィニ》》の研究』の内容についてだ。

アステリ曰く、《無尽蔵の生命《アンフィニ》》という力は一種の世界異常と言えるという。

それまでエルグランデという世界には不死・不滅・不老と言った力はなかった。

それどころか、昔は他者を治療する力さえもなかったとアステリは言う。

これはエルドレットナターシャからも聞いた話だそうで、確実なことだと。

「ん? じゃあ、転機となったのはエーリッヒ殿の誕生からか?」

「そういうことになる。では、ここで1つ疑問が生まれるな」

「疑問……?」

スヴェンはいまいちわかっていない。

疑問と言われても現状疑問で、どこがどう疑問点となるのかと。

そんなスヴェンの様子に昔と変わらないな、と笑って、アステリは一言だけ告げた。

――なんで、そんな力が必要になったんだ? と。

​第11章は2025年1月予定…

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これは、猟兵達の秘密の物語。​

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