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黄昏.png

another guardian

猟兵達も知らぬ何処かの空間。

1人の男が目の前のキーボードを叩きながらブツブツと独り言を呟く。

「エーリッヒとジャックの合流も、お見通しってことなのかねぇ?」

「ああ、でも。モルセーゴの到達は見抜けなかったみたいだな」

「酷使しすぎた、ってことは……並列化された未来が3つ以上見えていたってことか……」

誰に向けての言葉なのか、それは誰にもわかっていない。

ただ、わかるのはその言葉がこの場にいない誰かに向けてということぐらい。

目の前の情報と頭の中の情報を交互に呟きながら、男は色々考える。

自分に出来ること。自分がやらなければならないこと。

今何が出来て、何が出来ないか。

様々な情報をこねくり回して、結論まで導いた。

「……俺の負担デカすぎるんだよなぁ……」

はあ、と大きくため息をついた男。

色々と考えて結論を導き出すと、どうしても自分の負担が大きいと気づいたようで。

 

休憩を入れるため、男は一旦手を休めて背もたれに思いっきり身体を預けた。

長時間の作業だったせいか、身体の痛みが激しいのがよく分かる。

ぐいっと伸びをして、凝り固まった筋肉を解しておいた。

「しかし、どうしようかねぇ……。モルセーゴはジャックの管轄だしなぁ……」

「アマベルに言ったら何が起こったか調べてくれっかなぁ?」

「あーでも、それならレティシエルに探ってもらった方がいいか? ゲート関連だし」

身体を休めても、脳と独り言は止まらない。

むしろどう解決するかの対策を練るのが楽しいのか、キーボードを叩く以前より独り言が多くなっている。

けれど、彼は休んだおかげで何かを閃いた様子。

再びキーボードを叩き出した。

「……ちょっくら、機関のシステムに繋いで情報パクろっと……」

​……何やらとんでもないことを言っているようだが、何が起こるのやら……。

これは、猟兵達の秘密の物語。​

​記録と記憶に残るだけの、小さな物語。

​シークレット・テイル

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